相続税は、どのくらいかかるのでしょうか。
実際の計算例でわかりやすく解説します。
相続税の計算の基本
相続税がかかる金額は、主に以下のステップで決まります:
1. 基礎控除額を超えた財産を計算
まず、亡くなった方の全財産を合計し、基礎控除額(非課税枠)を差し引きます。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
この基礎控除額を超えた部分(課税財産)に相続税がかかります。
2. 課税財産を法定相続人で分けたと仮定する
実際に誰がいくら受け取るかは関係なく、法律上の割合で財産を分けたと仮定して計算します。
3. 税率を適用して計算する
基礎控除後の金額を法定相続割合に基づいて仮定で分けた場合のそれぞれの金額に対して相続税を計算します。税率は財産の金額に応じて変わります。金額が多いほど高い税率が適用される「累進課税制度」です。
4. 各相続人の負担額を計算する
仮計算の合計税額を、実際の相続割合に応じて割り振ります。
税率はどのくらい?
相続税の税率は課税対象金額が1000万円以下までは10%で、その上は超過累進税率で6億円超の55%まで上がります。(控除額は0円から段階的に7200万円まであります。)
実際の計算例
例1:法定相続人が2人、財産が6,000万円の場合
1. 基礎控除額の計算
基礎控除 = 3,000万円 + (600万円 × 2人) = 4,200万円
2. 課税財産の計算
課税対象 = 6,000万円 - 4,200万円 = 1,800万円
3. 税率を適用
1人当たりの法定割合に基づく金額 1800万円 / 2人 = 900万円
o 1,000万円まで:10% → 90万円
o 90万円 × 2人 = 180万円
合計税額 = 180万円
4. 各相続人の負担額
税額は相続する財産の割合に応じて割り振ります。例えば、1人が全財産を相続するなら180万円がその人の負担額になります。
財産6000万円に対して180万円の相続税ですから、実質税率は3%です。
例2:法定相続人が3人、財産が8,000万円の場合
1. 基礎控除額の計算
基礎控除 = 3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円
2. 課税財産の計算
課税対象 = 8,000万円 - 4,800万円 = 3,200万円
3. 税率を適用
1人当たりの法定割合に基づく金額 3200万円 / 3人 = 1066万円
o 1,000万円まで:10% → 100万円
o 3,000万円まで:15% →66万円×15%=9.9万円
合計税額 109.9万円×3人=330万円
4. 各相続人の負担額
相続割合によりますが、仮に3人が平等に受け取る場合、1人あたり約110万円の相続税を負担する計算になります。
財産8000万円に対して330万円の相続税ですから、実質税率は4.1%です。
相続税は財産金額が多いほど税率が高くなる超過累進税率のため、相続税も多くなります。
相続税の生前対策としては、「早めに、計画的に、長期的に」実行すれば間違いなく軽減できます。
どうぞお気軽にご相談ください。
備えあれば憂いと相続税なし
2024-12-19 Tenjin3